任意整理のデメリットはブラックリストに載ることだけ

任意整理とは、弁護士や司法書士に依頼して会社側と交渉してもらい、利息・遅延損害金の全額カットや返済期間の調整(60回払い程度)といった条件で和解することを目的とした債務整理です。

借金返済の負担を軽くすることができる一方で、任意整理には「ブラックリスト」に載るというデメリットがありますが、いくつか対策を取ることでデメリットの影響を小さく抑えることが可能です。

任意整理のデメリットはブラックリストに載ること

任意整理をすると、任意整理の情報が「信用情報機関」という機関に登録され、いわゆる「ブラックリスト」に載った状態になります。

また、加盟している他の会社もその情報を見ることができるようになるため、どこの会社でも信用が必要な取引に制限がかかるようになります。

任意整理でブラックリストに載ると受けるデメリット

ブラックリストの制限を受けている間は、持っていたクレジットカードが使えなくなるだけでなく、新しくクレジットカードを作ろうとしても審査に落ちることがほとんどです。

また、ブラックリストに載っている間は、ローンやキャッシングなどでの借金ができません。

さらに、スマホや携帯電話などを分割払いで購入することもできません。

この他にも、他人の借金の保証人になれない、賃貸契約で信販系の保証会社を利用しづらくなる、といったデメリットがあります。

しかし、任意整理の場合だと5年ほどが経過すれば信用情報機関から任意整理の情報が登録解除され、ブラックリストによる制限もなくなります。

ブラックリストが解除された後は、上記のような信用が必要な取引も以前と同様にできるようになりますので、安心してください。

任意整理のデメリットには対策ができる

クレジットカードが使えなくなるとインターネット上での支払いができなくなるなど不便なことが多いですが、デビットカードやプリペイドカードを作ればクレジットカードの代わりとして使うことができます。

デビットカードは支払いをすると即時で代金が口座から引き落とされるカードで、プリペイドカードはSUICAのようにあらかじめお金をチャージしておくとその金額の範囲内で支払いができるカードです。

また、ブラックリストに載っても家族の信用には何の影響もないため、ブラックリスト中でも家族の名義でローンを組んでもらうことは可能です。

まとめ

任意整理をするなら、ブラックリストによる制限は避けられないデメリットです。クレジットカードが使えない、分割払いでモノが買えないなど、一見すると不便なデメリットばかりに見えるかもしれません。

しかし、クレジットカードの代わりにデビットカードやプリペイドカードを使う、ローンを組む必要があるときは家族の名義で組んでもらうなど、ちょっとした工夫をすれば任意整理のデメリットはかなり軽減できます。

クレジットカードの任意整理で知っておきたい2つのポイント

公共料金の支払いからネットでの買い物まで様々な使い方ができるクレジットカードですが、使い過ぎて支払いができなくなったときは任意整理することが可能です。

クレジットカードを任意整理するときは、「ショッピング枠もキャッシング枠も任意整理できること」と「任意整理するとクレジットカードが使えなくなること」の2つのポイントを知っておくとよいでしょう。

クレジットカードは任意整理できる

クレジットカードには買い物や支払いに利用できるショッピング枠と、直接お金を借りることができるキャッシング枠がありますが、どちらも任意整理することが可能です。

任意整理とは、弁護士や司法書士に依頼してカード会社と交渉してもらい、利息・遅延損害金の全額カットや返済期間の延長を実現する債務整理です。

例えば、三井住友VISAカードのショッピング枠50万円とキャッシング枠30万円の計80万円の支払いがある場合、利息を含めた支払総額は96万円程度、毎月の返済額は4万円程度となるケースが一般的です。

任意整理を行うと、利息の約16万円は0円になり、元本の80万円のみを60回程度で返済することになります。毎月の返済額も約1万3000に抑えられます。

任意整理するとクレジットカードが使えなくなる

任意整理をすると、カード会社などお金を貸す事業を行っている会社が加盟している「信用情報機関」という機関に任意整理の情報が登録されます。

この状態が「ブラックリスト」と呼ばれるもので、ブラックリスト中はクレジットカードの利用・作成ができないことに加えて、ローンやキャッシングの利用、スマホなどを分割払いで購入することなどができなくなります。

また、信用情報機関の情報は加盟している他の会社も見ることができるため、任意整理したカード会社だけでなく、どこの会社でもブラックリストの制限を受けることになります。

電気代・ガス代などの公共料金や、スマホ・インターネットなどの月額料金をクレジットカードで支払っている場合、任意整理でクレジットカードが利用停止になると支払いが滞ってしまいますので、あらかじめ口座引き落としやコンビニ払いに変更しておきましょう。

また、支払いをすると即座に代金が引き落とされるデビットカードや、あらかじめチャージしておいた金額の範囲内で支払いができるプリペイドカードを作っておくと、クレジットカードの代わりになります。

まとめ

クレジットカードはショッピング枠とキャッシング枠のどちらも任意整理することができますが、任意整理を行うと5年間ブラックリストに載り、持っていたクレジットカードが使えなくなったり、新規でクレジットカードを作れなくなったりします。

ブラックリストでクレジットカードが使えなくなっても、デビットカードやプリペイドカードを使うことで不便さをかなり軽減できます。

任意整理の流れで重要な3つのポイントを解説

「任意整理を検討しているけれど、手続きの流れがわからない」という人は少なくありません。

実は、任意整理の流れの中で本人が把握しておくべきポイントは、事前相談・委任契約・返済開始の3つしかありません。他のことは弁護士や司法書士に任せておいて大丈夫です。

ここでは、任意整理の流れを全体的に見たうえで、本人が知っておきたい3つのポイントについて特に詳しく説明していきます。

任意整理の全体的な流れ

任意整理をする前に、まず弁護士や司法書士と事前相談を行い、本人に最適な債務整理はどれかを検討していきます。任意整理が最適だという結果になったら、正式に任意整理を依頼する委任契約を結びます。

委任契約後すぐに、弁護士や司法書士から会社側へ「受任通知」が送られ、会社側からの督促が一時的にストップします。

また、弁護士や司法書士が会社側へ取引履歴の開示請求を行い、その情報を踏まえて、正確な借金額や利息の金額を確認するための「引き直し計算」をします。

その後、会社側との交渉が始まります。利息のカットや返済期間の調整といった条件で合意できたら、和解契約書を結んで交渉成立となります。

交渉が終了したら、1カ月後くらいから返済がスタートします。

任意整理の流れの中で知っておきたい3つのポイントを解説

任意整理の流れの中で本人が知っておくべきポイントは、事前相談・委任契約・返済開始の3つです。

事前相談では、どこからどのくらいの金額を借金しているのか、滞納はあるか、収入はどのくらいかなどの事情を説明できるようにしておきましょう。

任意整理が最適だということになったら、弁護士や司法書士と委任契約を結びます。このとき、身分証明書、印鑑、通帳、給与明細といった持ち物が必要になります。

また、お金を借りたときの契約書や取引明細、キャッシングやカードローンのカード、クレジットカードなどは、借金に関する資料となりますので、まとめて持っていきましょう。無くしてしまった場合でも、どこの会社から借金をしていたかがわかれば任意整理は可能です。

受任通知の送付から会社側との交渉・和解までは弁護士にお任せで大丈夫です。依頼する会社の数にもよりますが、任意整理は3~6カ月程度で終わることが多いです。和解契約を結んでから約1カ月後に返済が始まります。

まとめ

任意整理の流れでは、まず事前相談をして委任契約を結びます。あらかじめ持ち物を用意しておけば、相談をした当日に委任契約を結ぶことができます。

その後は受任通知が送られることで会社側とのやり取りが始まり、取引履歴の開示請求、引き直し計算、会社側との交渉、和解契約の締結といったことが行われますが、これらは弁護士や司法書士に任せておけば大丈夫です。和解契約から約1カ月後に返済が始まるので、準備しておきましょう。

任意整理と個人再生で迷ったときに読む4つのポイント

任意整理と個人再生は、どちらも借金が返済できないときに取ることができる「債務整理」の手続きです。

同じ債務整理でも、任意整理と個人再生では借金減額の効果、家族に内緒にしやすいか、保証人があるとどうなるか、家や車などの財産があるとどうなるかといった違いがあります。

借金減額の効果は任意整理より個人再生のほうが上

任意整理では利息を全額カットしてもらえますが、個人再生では元本を5分の1程度に減額してもらえるので、借金減額の効果としては任意整理より個人再生のほうが高いです。

300万円の借金があった場合、一般的な例だと利息を含めた返済総額は約457万円、毎月の返済額は約7万6000円程度となります。

任意整理をすると、利息の約157万円は0円になります。元本の300万円を60回払いで返済する場合、毎月の返済額は5万円まで抑えられます。

一方、個人再生なら元本が300万円の場合、特に財産がなければ返済額は100万円です。これを3~5年で返済するのですが、毎月の返済額は3年(36回払い)なら約2万8000円、5年(60回払い)なら約1万7000円になります。

同居の家族に内緒にしやすいのは個人再生より任意整理

個人再生では同居の家族の収入が分かる書類を提出しなければならず、そこから家族に債務整理や借金のことがバレやすいです。

しかし、任意整理はそうした書類を提出する義務はないので、家族に内緒でやりやすい債務整理だといえます。

保証人に迷惑をかけたくなければ個人再生より任意整理

保証人付きの借金がある人が個人再生を行うと、借金の残高が保証人に一括で請求されることになります。

しかし、任意整理なら保証人付きの借金を整理の対象から外すことで、保証人に迷惑をかけずに他の借金を整理することが可能です。

持っている財産によっては個人再生より任意整理のほうがいい

個人再生では、持っている財産をお金に替えた時の金額以上の金額を返済しなければなりません。例えば、300万円の借金がある場合、財産が何もなければ返済額は100万円まで減らしてもらえますが、1000万円の土地を持っている人は借金が減額されないので、個人再生をする意味がないということになります。

しかし、任意整理なら財産をいくら持っていても特に関係はありません。利息のカットと返済期間の調整で毎月の負担を減らせるという点に変わりはないのです。

まとめ

借金減額の効果としては、任意整理が利息のカットのみであるのに比べて、個人再生では元本を5分の1程度まで減額してもらえるので、個人再生のほうが上です。

しかし、任意整理には「同居の家族に内緒でできる」「保証人に迷惑がかからない」「財産がいくらあっても関係ない」という3つのメリットがあります。

3つのメリットに当てはまる人は任意整理、当てはまらない人は個人再生を選ぶのが適切であることが多いです。

任意整理とおまとめローンの違いを解説

借金の返済が苦しくなって解決方法を調べていたら、「任意整理」と「おまとめローン」という2つの方法が出てきて、どちらがいいかわからないという経験をした人もいることでしょう。

任意整理とおまとめローンは仕組みが全く異なります。借金を減額できるけれどもブラックリストに載るのが任意整理、ブラックリストに載らずに返済先を一本化できるけれども返済総額は増える傾向があるのがおまとめローンです。

任意整理は借金減額が目的の「債務整理」

任意整理とは債務整理の一つで、弁護士や司法書士に依頼して会社側と交渉してもらい、利息・遅延損害金の全額カットや返済期間の調整(60回払い程度)を実現していきます。

おまとめローンは返済の一本化が目的の「金融商品」

おまとめローンとは複数の借金がある人が返済を一本化できるようにすることを目的とした金融商品の一つで、ローン会社からお金を借りて他の会社の借金を全額返済し、その後はローン会社にだけ返済をすればよくなるという仕組みです。

任意整理なら借金返済の負担を確実に減らせる

例えば、三菱東京UFJ銀行から50万円、エポスカードから50万円、アイフルから50万円の合計150万円を借金している場合、一般的には利息を含めた返済総額が約195万円、毎月の返済額が約5万4000円といったところになります。

任意整理をすると、利息の約45万円は0円になり、返済は元本の150万円のみでよくなります。60回払いで和解したとすると、毎月の返済額は2万5000円まで抑えられます。

しかし、任意整理すると「ブラックリスト」に載るため、クレジットカードが使えない、新たに借金ができない、スマホなどが分割払いで買えないといった制限を約5年間受けることになります。

おまとめローンならブラックリストに載らずに返済を一本化できる

おまとめローンの主な目的は、借金の返済を一本化することで返済の手間を省くことです。

先ほど例に挙げた借金150万円の場合、いずれも金利18%だったとすると、利息を含めた返済総額が195万円ほど、毎月の返済額が5万4000円ほどとなることが多いです。

東京スター銀行のおまとめローンを利用して8年で返済した場合、毎月の返済額は約2万5000円になります。

しかし、利息が付くので返済期間が長いと返済総額は増えていきます。8年(96回払い)なら、返済総額は約238万円となり、約88万円もの利息を払うという計算になります。

まとめ

任意整理は債務整理の1つで、利息・遅延損害金のカットや返済期間の調整によって返済の負担を確実に減らせますが、約5年間ブラックリストに載って制限を受けるというデメリットがあります。

一方、おまとめローンは金融商品の1つで、借金の返済先を1か所にまとめることが目的ですが、利息が付くため返済期間が長いと返済総額は前より増えることが多いです。